2050年カーボンニュートラルへ!『子育てグリーン住宅支援事業』とGX志向型住宅の概要
2024.12.01|家づくりについて
次期住宅省エネキャンペーン「子育てグリーン住宅支援事業」概要
2050年カーボンニュートラル実現を目指し、新たな省エネキャンペーン「子育てグリーン住宅支援事業」が発表されました。この事業では、特にエネルギー価格高騰の影響を受けやすい子育て世帯や若者夫婦世帯への支援を強化し、次世代の省エネ住宅普及を推進します。以下に概要をまとめます。
1. 制度の目的
この事業の目的は以下の通りです:
- 高い省エネ性能を持つ新築住宅の普及を促進
- 既存住宅の省エネ改修を支援
- 地球温暖化対策としてのカーボンニュートラル社会の実現に貢献
2. 補助対象
経済対策閣議決定日(令和6年11月22日)以降に、新築は基礎工事より後の工程の工事、リフォームはリフォーム工事に着手したものに限る(交付申請までに事業者登録が必要)。
- 対象住宅:
新築(注文住宅・分譲住宅・賃貸住宅)および既存住宅の省エネ改修
※住宅の床面積は50㎡以上240㎡以下 - 対象世帯:
すべての世帯に加え、以下が特に対象となります:- 子育て世帯: 18歳未満の子を持つ家庭
- 若者夫婦世帯: 夫婦のいずれかが39歳以下
3. 補助額と条件
住宅タイプ | 対象世帯 | 補助額 |
---|---|---|
GX志向型住宅 | すべての世帯 | 160万円/戸 |
長期優良住宅 | 建替前住宅除却あり | 100万円/戸 |
上記以外 | 80万円/戸 | |
ZEH水準住宅 | 建替前住宅除却あり | 60万円/戸 |
上記以外 | 40万円/戸 |
GX志向型住宅の要件:
- 断熱性能等級「6以上」
- 再生可能エネルギーを除いた一次エネルギー消費量削減率「35%以上」
- 再生可能エネルギーを含む削減率「100%以上」
※寒冷地等に限っては75%以上(Nearly ZEH)も可
※都市部狭小地等の場合に限っては再生可能エネルギー未導入(ZEH Oriented)も可
※共同住宅は、別途階数ごとに設定
4. GX(グリーントランスフォーメーション)について
GXとは「Green Transformation」の略で、化石エネルギー依存型の産業・社会構造をクリーンエネルギー中心に転換し、経済社会システム全体を改革する取り組みです。
- GXの目的: 脱炭素社会の実現
- 背景:
- 2020年「2050年カーボンニュートラル宣言」
- エネルギー安全保障の課題
- 具体例: GXリーグによる企業間の協力(500社以上が参画)
5. 既存住宅のリフォーム支援
リフォームタイプ | 補助要件 | 補助額 |
---|---|---|
Sタイプ | 必須工事3種を全て実施 | 上限60万円/戸 |
Aタイプ | 必須工事3種のうち2種を実施 | 上限40万円/戸 |
必須工事:
- 開口部の断熱改修
- 躯体の断熱改修
- エコ住宅設備の設置
6. 注意点
- 災害リスクの高い区域に立地する住宅は原則対象外
- 賃貸住宅の場合、子育て世帯等に配慮した条件が必要
- 事業者登録が必要で、交付申請前に登録を完了させることが求められます。
子育てグリーン住宅支援事業は、高い省エネ性能を持つ住宅の普及を促進しながら、子育て世帯を支援する大きな一歩です。GX志向型住宅やZEH水準住宅の導入を検討する方にとって、非常に魅力的な内容となっています。ぜひこの機会にエコで快適な住まいづくりを進めてみてはいかがでしょうか?