住宅ローン減税は5年延長へ|閣議決定で2030年まで継続【税制改正大綱】
令和8年度税制改正大綱が閣議決定|既存住宅・省エネ住宅重視の流れが鮮明に
令和7年12月26日、政府は令和8年度税制改正大綱を閣議決定し、
住宅ローン減税を5年間延長(2030年まで)する方針を正式に示しました。
今回の税制改正大綱では、2026年以降の住宅取得支援策として、住宅ローン減税をはじめとする住宅関連税制の延長・拡充が盛り込まれています。
その内容は、単なる住宅取得支援にとどまらず、人口減少社会への対応や2050年カーボンニュートラルの実現を見据え、既存住宅の利活用や省エネ性能の高い住宅を重視する方向性が鮮明となっています。
※本内容は、今後の国会において関連税制法が成立することが前提となります。
改正の背景|「新築偏重」から「省エネ・既存住宅重視」へ
政府は今回の税制改正において、次のような課題を背景に挙げています。
- 本格的な人口減少社会への対応
- 世帯規模やライフスタイルの多様化
- 住宅分野における脱炭素(カーボンニュートラル)の推進
これらを踏まえ、
「新築住宅を取得する人だけを優遇する制度」から、
既存住宅を含め、省エネ性能の高い住宅を選択する人を広く支援する制度へと軸足が移りつつあります。
住宅ローン減税の主な改正ポイント
適用期限を5年間延長
- 適用期間:
令和8年1月1日~令和12年12月31日入居分まで - 住宅ローン減税は 2030年まで継続されることが明確になりました。
省エネ性能の高い既存住宅を重点的に優遇
令和8年以降に入居する場合、以下の措置が講じられます。
- 認定住宅・ZEH水準省エネ住宅など
省エネ性能の高い既存住宅の借入限度額を引き上げ - 子育て世帯・若者夫婦世帯については
借入限度額の上乗せ措置 - 既存住宅であっても
控除期間を13年間に拡充
これにより、中古住宅+リノベーションという選択肢が、
税制面でもより現実的なものになってきます。
床面積要件の緩和(既存住宅にも拡大)
- 床面積要件:
40㎡以上に緩和 - 対象:
これまで新築中心だった緩和措置を 既存住宅にも適用
ただし、以下の場合は従来通り50㎡以上が必要です。
-
合計所得金額1,000万円超の方
-
子育て世帯等の借入限度額上乗せ措置を利用する場合
コンパクト住宅や都市部の住宅取得を後押しする内容といえます。
省エネ基準適合住宅の扱いに注意
- 令和10年以降に建築確認を受ける省エネ基準適合住宅(新築)は
住宅ローン減税の 適用対象外 - ただし、
登記簿上の建築日付が 令和10年6月30日までの住宅は対象
税制改正大綱では、令和10年以降に建築確認を受ける省エネ基準適合住宅(新築)について、住宅ローン減税の適用対象外とする方針が明記されており、今後はより高い省エネ性能を備えた住宅であることが前提条件となっていきます。
災害リスクを踏まえた立地要件の導入
- 令和10年以降に入居する場合
災害レッドゾーンでの新築住宅(建替えを除く)は適用対象外 - 対象外区域の例:
- 土砂災害特別警戒区域
- 地すべり防止区域
- 急傾斜地崩壊危険区域
- 浸水被害防止区域 など
一方で、
- 建替え
- 既存住宅の取得
- リフォーム
については、引き続き適用対象となります。
工務店・住宅会社にとってのポイント
今回の改正から読み取れる重要な流れは次の3点です。
- 省エネ性能が住宅ローン減税の前提条件になりつつある
- 新築一辺倒から、既存住宅+性能向上リノベへのシフト
- 2028~2030年を見据えた住宅性能提案が必要
今回の改正では、既存住宅の取得そのものではなく、「省エネ性能の高い既存住宅」をいかに増やすかが政策の中心に据えられています。
これは、中古住宅流通の活性化と住宅ストック全体の性能底上げを同時に進める狙いがあると考えられます。
住宅取得を検討中の方へ
- 「いつ建てるか」「どの性能水準にするか」で
将来の減税メリットが大きく変わる可能性があります。 - 特に2026~2029年に住宅取得を検討している方は、
省エネ性能の高い住宅を選ぶことが重要な判断軸になります。
まとめ
- 住宅ローン減税は 5年間延長(2030年まで)
- 既存住宅・省エネ住宅・コンパクト住宅を重視する制度へ転換
- 省エネ性能の低い新築住宅は、将来的に優遇対象から外れる方向性が明確
今後は、国会での法案成立、政省令の公布を経て詳細が確定していく見込みです。



