住宅ローン控除は2026年以降どうなる?過去の改正から読む最新制度の行方と対策
2025.06.22|家づくりについて
住宅ローン控除は2026年以降どうなる?現行制度の概要と今後の動向を徹底解説
マイホームの取得や新築を検討している方にとって、住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は非常に大きな税制メリットのひとつです。
しかし、現行制度は2025年(令和7年)末までの時限措置とされており、「2026年以降はどうなるの?」「そろそろ廃止されるのでは?」といった不安の声も聞かれます。
この記事では、現行制度の内容をしっかりおさらいした上で、過去の改正傾向と社会情勢をもとに、住宅ローン控除の今後の可能性と対策を詳しく解説します。
【はじめに】住宅ローン控除とは?現行制度のポイント
住宅ローン控除とは、住宅ローンを利用してマイホームを取得・新築・増改築した際に、年末のローン残高の一定割合を所得税・住民税から控除できる制度です。
◆ 控除額の計算方法(現行:2024〜2025年版)
住宅の種類 | 控除率 | 控除期間 | 借入限度額 | 年間最大控除額 |
---|---|---|---|---|
認定住宅(長期優良・低炭素) | 0.7% | 13年 | 5,000万円 | 最大455万円 |
ZEH水準省エネ住宅 | 0.7% | 13年 | 4,500万円 | 最大409.5万円 |
省エネ基準適合住宅 | 0.7% | 13年 | 4,000万円 | 最大364万円 |
一般の住宅(省エネ基準未満) | 0.7% | 10年 | 3,000万円 | 最大210万円 |
※控除額は【年末の借入残高 × 控除率】で算出されます。13年間控除が受けられるのは、省エネ性能が一定基準以上の住宅に限られます。
◆ 所得制限
- 合計所得金額が2,000万円以下の人が対象
- それ以上の年収の方は控除を受けられません
【問題提起】2026年以降、住宅ローン控除はどうなる?
国の発表によれば、現行制度は2025年末で終了予定であり、2026年以降の制度設計については「未定」とされています。
「廃止されるのでは?」という声もありますが、過去の制度運用や社会的背景をもとにすると、全廃よりも"再調整"の可能性が高いと考えられます。
【過去の傾向】制度はどう変わってきたのか?
住宅ローン控除は、これまで何度も制度改正されてきました。その流れを見ると、以下のような特徴があります。
● 景気対策としての延長
- リーマンショックやコロナ禍など、経済不安時には控除期間や金額が拡充されました。
● エコ住宅優遇へのシフト
- 2022年以降、長期優良住宅やZEH住宅に手厚い控除が与えられ、逆に一般住宅は期間短縮・借入限度額も縮小。
- GX(グリーントランスフォーメーション)やカーボンニュートラル推進政策と連動しています。
● 控除率の見直し(逆ザヤ是正)
- 低金利時代に「借入金利より控除率のほうが高い=逆ザヤ」となっていたため、控除率が1.0% → 0.7%に引き下げられました。
【今後の予測】住宅ローン控除の制度はどう変わる?
以下は、2026年以降に予想される改正の方向性です。
◎ 制度そのものは延長される可能性が高い
- 持ち家取得の後押しとして、住宅ローン控除は非常に重要な制度です。
- 廃止ではなく、「環境性能住宅への絞り込み」や「所得制限の厳格化」が行われる可能性が高いでしょう。
◎ 予想される改正内容
改正の方向性 | 背景・理由 |
---|---|
ZEH・長期優良住宅への重点支援 | 脱炭素政策(GX)との連動 |
控除期間や限度額のさらなる見直し | 財政負担の抑制、公平性の確保 |
所得制限の強化 | 富裕層優遇の是正 |
一般住宅への控除廃止も? | 建物の性能底上げを促進するため |
【今からできる対策】住宅取得を予定している方へ
2026年以降に制度が厳しくなる可能性がある今、今のうちに住宅購入計画を具体化することが大きな節税につながるかもしれません。
● 高性能住宅を検討する
ZEH、長期優良住宅などの認定住宅は、今後も優遇対象として制度内に残る可能性が高いため、住宅の性能基準を意識しましょう。
● 購入・契約のタイミングに注意
控除の適用条件は「契約日」「入居日」によって変わるため、制度改正が発表された後に慌てないよう、早めの行動が重要です。
【まとめ】住宅ローン控除の今後を見据えた住宅計画を
住宅ローン控除は、住宅取得時の大きなメリットのひとつですが、その適用条件や制度の内容は年々厳しくなってきています。
2026年以降も制度が延長される可能性は高いですが、「全ての人が同じ恩恵を受けられるとは限らない」という点には注意が必要です。
- できるだけ早く検討を進める
- 性能の高い住宅を選ぶ
- 制度変更の情報にアンテナを張る
これらを意識して、後悔のないマイホーム取得を目指しましょう。
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