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冬の電気代を下げる!エコキュート「昼間沸き上げ」と自家消費の真実

【函館の家づくり:冬の快適偏Vol.4】暖房より電気を使う?光熱費を下げる「給湯」と「自家消費」の法則

全3回にわたり、函館の冬を乗り切るための「窓の配置」や「断熱性能」、そして「ヒートポンプ(空調)の効率」について解説してきました。

シリーズ最終回となる今回は、家づくりの盲点になりやすい、もう一つの超重要ポイントについて。 実は、家の燃費(一次エネルギー消費量)を計算する際、暖房と同じくらいエネルギーの大食漢になるのが「給湯(お湯を沸かすこと)」なのです。

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(※一般財団法人ヒートポンプ・蓄熱センターHPより引用)
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1. 一次エネルギー消費量の隠れた主役「給湯負荷」

家庭で使われるエネルギーの内訳を見ると、多くの場合「給湯」が全体の約3割を占めています。

特に函館のような寒冷地では、冬場の水道水の温度が極端に低くなるため、水をお湯にするためのエネルギー(給湯負荷)がさらに跳ね上がります。

国が推進する「GX志向型住宅(一次エネルギー消費量の削減)」を実現するためには、暖房の効率化だけでなく、この「お湯を沸かす燃費」をいかに良くするかが極めて重要なパラメーターとなります。

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2. エコキュートも実はエアコンと同じ「ヒートポンプ」

そこで現代の省エネ住宅で標準的に採用されているのが、「エコキュート(ヒートポンプ給湯機)」です。

Vol.2で、暖房用のエアコンは「少ない電気で大きな熱を生み出すエコなエンジン」だと解説しました。

実はエコキュートも全く同じ仕組みです。電気の熱だけで直接お湯を沸かすのではなく、屋外の「空気の熱」を集めてお湯を沸かすため、非常に少ないエネルギーでお湯を作ることができます。

しかし、エコキュートをただ設置するだけでは真の省エネとは言えません。その「運転のタイミング」が、現在の家づくりでは劇的に変化しています。

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3. 「深夜」から「昼間」へ。太陽光で沸かす3つのメリット

かつてオール電化といえば、「電気代が安い深夜にお湯を沸かして貯めておく」というのが常識でした。 しかし現在、太陽光発電システムを搭載した家においては、「昼間に創った電気でお湯を沸かす(自家消費)」というスタイルが主流になっています。

これには、一次エネルギー消費量を直接的に引き下げる3つの大きな理由があります。

  • 外気温が高い昼間の方が、効率よく沸かせる ヒートポンプは「空気の熱」を利用します。当然、冷え切った深夜よりも、太陽が出て気温が上がる昼間の方が空気中の熱が多いため、少ない負担でお湯を沸かすことができます。

  • 使うまでの時間が短く、お湯が冷めにくい(保温ロスが減る) 深夜にお湯を沸かして翌日の夜(入浴時など)に使う場合、半日以上もタンクに貯めておく間にどうしてもお湯が少し冷めてしまいます。使う時間に近い「昼間」に沸かすことで、お湯が冷める前に使い切ることができ、無駄な放熱ロスをカットできます。

  • 「無料の電気」で沸かすから、買う電気が減る 太陽光で発電した電気をそのまま給湯に使うことで、電力会社から「買う電気」の量を大幅に減らすことができます。

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4. 要注意!「初期費用」と「光熱費」のバランスを見極める

「それなら、太陽光がある昼間に100%お湯を沸かせばタダでお得!」と思いがちですが、ここにご検討時に知っておくべき実務的なポイントがあります。

実は、通常のエコキュートに備わっている「昼間シフト機能」は、夜間沸き上げを基本としつつ、その一部を昼間に逃がす機能です。

この場合、昼間に沸かせる上限は「50%未満」に制限されている機種が多く、残りは夜間にお湯を沸かすことになります。

そのため、依然として「夜間が安い電力プラン」との組み合わせが王道の一つです。

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一方で最近、原則100%を昼間に沸かす設計の「おひさまエコキュート(専用機)」なども登場しています。

自家消費を極めるなら理想的な機種に見えますが、現時点ではこの専用機は機器本体の導入コスト(初期費用)が通常機種よりも割高になる傾向があります。

つまり、「毎月の光熱費(ランニングコスト)は下がるけれど、最初の導入費用(イニシャルコスト)が高くなる」というジレンマが発生するのです。

「初期費用を抑えて、昼と夜を賢く使い分けて沸かす」のが良いのか、それとも「初期費用をかけてでも、昼間特化の専用機と新しい電力プランを選ぶ」のが良いのか。

その最適解は、ご家族のお湯の使い方や、太陽光パネルの容量によって全く異なります。

だからこそ、表面的なメリットだけでなく、トータルコストを見据えた機器・プラン選びをぜひ私たちにご相談ください。

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5. シリーズまとめ:「GX志向型住宅」の完成

全4回にわたり、省エネ住宅の裏側にある物理の法則や設計の根拠を解説してきました。

  1. 熱の逃げ道となる窓の配置を最適化する。(Vol.1)

  2. 断熱性能とヒートポンプの効率を高める。(Vol.2)

  3. 日射取得を計算し、自然の力で暖房負荷を減らす。(Vol.3)

  4. 給湯負荷を減らし、トータルコストを見据えた設備を選択する。(Vol.4)

単に断熱材を厚くするだけではなく、こうした「建物の性能(ハード)」と「ライフスタイルに合わせた賢い運用(ソフト)」がパズルのように完璧に噛み合って初めて、一次エネルギー消費量が劇的に下がります。

「GX志向型住宅」とは、地球環境に優しいだけでなく、「函館の厳しい冬を、将来にわたって最も少ない光熱費で快適に暮らせる家」の証明です。

家づくりをご検討の際は、ぜひこうした「デザインの裏側にある設計の根拠」にも目を向けて、後悔のない住まいづくりを実現してくださいね。

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