新築住宅のつくり方@ハウジング・コバヤシ ⑨
2019.10.06|家づくりについて
いよいよ秋も深まってきましたが
食欲の秋、読書の秋、スポーツの秋、、、
たくさんの秋の楽しみ方がありますが、夏に落ちた食欲が盛り返してきた方は、
この機会に大食いしてみてはいかがでしょうか?
激辛ペヤングやきそば 超超超大盛GIGAMAX は1食で2136kcalもあり食べ応え充分です♬
但し成人男性の1日分の必要カロリーは一般的には2000kcal程度と言われていますので
食べられる方は自己責任にてお願い致します(笑)
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さて、シリーズ連載『新築住宅のつくり方』の第9回目をお届けします。
前回までで外囲いと屋根と外壁下地まで終わりましたので室内に入って工事に進めます。
ここで電気工事業者が現場に入って配線工事を行います。
これらは照明用、スイッチ用、コンセント用、TV用などの配線ですが、
完成時には壁の中や天井裏で見えなくなります。
リフォームなどの配線工事では配線カバーなどを使った露出配線になる事が多いですが
新築住宅は下地から作っていきますので基本的には隠ぺい配線となります。
これらの配線工事は電気工事士の国家資格を持った業者が行います。
家庭用のコンセント配線は電流容量が15Aと決められていて 100V × 15A=1500W が容量であり
1カ所に差し込みが2口ある場合でも2口合わせて1500Wまでです。
ですので電源タップなどを使用する場合でも合計容量が1500Wを超えないように注意しましょう。
電気工事業者が作業をしている間に並行して大工さんは室内の間仕切壁を取り付けていきます。
外壁には構造用合板を張って壁の強さを確保しますが、室内の壁は筋交(すじかい)という
斜めの部材を壁の下地に金具で取り付けて壁の強度を確保します。
さらに外壁下地の柱間に断熱材を充填していきます。
断熱材の施工方法に大きく分けて二つあり、一つは充填断熱でもう一つは外張り断熱です。
簡単に言うと壁の中に入れるか壁の外に張るかの違いですね。
断熱材の種類には多種ありますが、コストバランスや施工性が良く、
広く流通し普及しているのはグラスウールが一般的です。
グラスウールは名前の通りガラスを原料とする綿上の断熱材ですが、
近年の物は工場出荷時に必要な寸法にカットされていて質感的にも
経年変化により壁の中でズリ落ちて断熱欠損になるような事はなくなり
隙間なく壁に納まるため、作業者の加工精度に左右される事もなくなりました。
その他の種類には一見すると発砲スチロール状のEPS断熱材であったり、
ウレタンパネルであったり吹き付けタイプであったり価格も性能もピンからキリまでありますが、
弊社の標準仕様では高性能グラスウールを採用しています。
いずれにしても断熱材が柱などの材料に隙間なく密着する事が重要です。
当社取扱い商品の一つであるスーパーウォール工法では高性能ウレタンパネルを採用しています。
外壁廻りの断熱材を入れ終わったら室内の間仕切り壁を建てていきます。
床に敷土台(しきどだい)を取り付けて、柱と柱の間に間柱(まばしら)を建てて壁の下地にします。
これらの壁は建て込み後に取り付けるので通称「後間仕切り(あとまじきり)」と言います。
柱の根元(床の取り合い)などは気密パッキンや気密テープを使って気密施工し隙間風を無くします。
次に換気設備業者が換気設備の設置工事を行います。
換気設備は建築基準法で設置が義務付けられていてシックハウス症候群を防ぐ方策となっています。
換気設備にもいくつかの種類があり、
第1種換気システム:給気・排気共に機械換気
第2種換気システム:給気を機械換気、排気は自然換気
第3種換気システム:給気は自然換気、排気を機械換気
という他に
1台~2台の換気装置から換気用ダクトを各部屋に巡らせるセントラル換気方式や
各室の吸気口や排気口に換気扇を設置する個別換気方式などがあります。
弊社ではセントラルダクト配管による第3種換気システムを標準採用としていて、
洗面脱衣室の天井裏などに換気装置本体が設置されることが多いです。
それぞれに特徴がありますが、一般的な住宅では第3種換気システムが広く普及しています。
駆動モーターが一つなので消費電力が少ない事、
排気経路だけがダクトになるので維持メンテナンスが容易、
室内が弱負圧になる事で飽和水蒸気量が少なくなり結露防止になる、などが理由ですが
給排気の熱交換を行わないため第1種換気システムの熱交換型に比べて暖房負荷は増えるなど
それぞれ一長一短あり設置費用も違ってきますので、
その特徴をよく検討し理解して採用するのが大事かと思います。
ZEH仕様とする場合などにはエネルギーロスを最小限にするため
熱交換型の第1種換気システムが採用されます。
室内の間仕切り壁が出来たら、大工さんは次に床材を張っていきます。
床材は一般的には厚さ12mmで幅303mm長さ1818mmのフロア合板といわれる建材を使用します。
4辺の内の長短2辺が実(さね)になっていて大工さんが壁や柱をよけて、
順々に接着剤で張って専用釘で留め付けていきます。
世界的な銘木(めいぼく)の不足や乾燥による収縮を突き詰めていった結果、
現在の床材は芯材は分かり易く言うとダンボールに近いMDF材料
表面は木目が印刷されたオレフィンシート貼りという商品が広く普及していて
他にはベニヤ合板の表面にスライスされた銘木板(突板:つきいた)を貼り付けた複合フローリング
と呼ばれるものなど多種多様な床材があります。
一般の方々は木質系の床材を押し並べてフローリングと呼ぶことが多いと思いますが、
現場では、303×1818の板状の中に溝が切ってあるものをフロア合板、
表面に溝などはなく1枚ずつ貼り付けていくタイプをフローリングと呼び分けることが多いです。
床材はそのまま仕上げ材になるので、傷が付かないように施工後速やかに養生します。
厚さ5mm程度の養生ベニヤを敷いて更にその上に養生シートを敷いて養生テープで押さえます。
Mamanの家やBinO/FREEQの商品などではパイン材の無垢フローリングを採用しています。
床材が貼り終わったらグラスウールを入れた外壁下地に厚さ0.1mmの気密シートを張り付けます。
写真にはありませんがコンセントボックスやスイッチボックスにも気密カバーを付けて施工します。
断熱材の性能を最大限発揮させるために壁体内の空気が動かないように気密施工を行います。
例えばどんなに暖かそうなセーターでも風を通してしまうようだと着ている人は寒いですが、
そのうえに風を通さないアウターを1枚着ることで暖かさが断然違ってきます。。。
、、、たぶんこの例えで合ってると思いますが異議は受け付けませんのでご了承ください(笑)
次に室内壁の下地となる厚さ12mmの石膏ボードを壁に張っていきます。
石膏ボードというのは、主材料の石膏の結晶内に水分を含んでいて、
火災などにより熱を受けた際に水分を放出することによって
一定時間を火災に耐えられるようになっている建材で、建築工事には欠かせない材料です。
浴室が入る場所の壁下地にも石膏ボードを張り、テープで目張りします。
浴室以外の壁は後工程でパテで目地埋めしますが、浴室下地の壁はあとから出来ないのと
浴室を設置すると見えなくなるため、先にテープで目張りして気密性を確保します。
そしてユニットバスの納入業者が現場で浴室を組み立てます。
浴室を組み立てるとこのようになります。
現代ではこのユニットバス(又はシステムバス)が広く一般的に普及していて、
多くの場合は1.0坪タイプ、お客様のご要望によっては1.25坪~1.50坪タイプなどが採用されます。
さらに広い浴室にする場合や温泉引き込みなどを行う場合には造り付けで施工します。
これは掛け流し温泉を引き込んだ際の施工例です。
ふぅ~、、、
前回から少し間が開いたので今回は特大増刊号でお贈りしましたが
ネタが尽きましたので、今回はここまでにしましょう。。。
最後はいつもの締め言葉とになりますが
より詳しく知りたい方は
専門書をお買い求め頂くかgoogle先生にお聞きくださいね♬
前回までのバックナンバーは以下からご覧ください。
それでは次回更新をお楽しみに!
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新築事業部 境(一級建築施工管理技士・二級建築士・宅地建物取引士)